山の神とは、口うるさい妻をいう俗語。(吾作が言うんじゃない、そう書いてある)
榊原の山の神もまんざら関係がないことではなさそうです。 山の神は、女性神として信仰され大人には恐ろしく、子どもはなにをしてもよいが大人が御神体を粗末にするとバチがあたると言われます。(榊原では夫婦2体です) 日本神話では大山祇神などが山の神として登場しますが、榊原では民間信仰における山の神です。 毎年正月7日の朝、暗いうちから火を焚いて神事が始まります。 今6時、これからあちらこちらで火の手が上がりますよ。 その模様は明日のブログに掲載しますが、写真は準備されている昨日の山の神です。 多くは山のふもとに祀られています。 ![]() ![]() 神事のときだけ股木で男体女体を作ります。 男体には立派なイチモツが、また恥ずかしいと言って袴をはいて・・・ ![]() ![]() 山の神を山から出てもらうためにカギ曳きをするカギです。 カギに付いているワラ細工はフグリです。ワラの中には男性の数の2倍と山の神さんの分2個を加えた小石を入れて世帯ごとに正月2日に奉納したものです。 小石はなくなっていく境内の玉石の補給です。 ![]() 蛇足:榊原に伝わる昔話 ★餅の好きな山の神★(榊原公民館・榊原ものしり講座より) 私の住む榊原では、正月7日は山の神行事でにぎわう。 榊原の山の神は、ほとんどが集落別に祭られており、神前で火をたく。餅(もち)を焼き、木の枝で作った大きな鉤(かぎ)が、張られた善の綱(長いしめ縄)に掛けられ、みんなで引っ張って切る。やり方は場所によって少しずつ違うようだが、夜明けの、まだ薄暗いころから各地区で火の手が上がる。榊原では昔から正月の風物になっている。 辞書で「山の神」を引くと、(1)山を守り、山をつかさどる神。(2)妻の異称。と出てくる。 山をつかさどる神である山の神は、春になると里に来て、田の神になると説明されている。これは柳田国男氏の調査を基に、どの辞書にも書いてある。だが、ここ榊原では、そのような言い伝えは残っていない。 ここには田の神説はないが、山の神の行事(神事)が済むまでは決して山にはいるな(山仕事をしない)と言われていた。だから、山をつかさどる神であることは間違いでようだ。 昔、地元の古老からこんな話を聞いた。 10月は神無月である。これは全国の神様が出雲に集まり、神様の大会が催される。そのために出雲以外では神様が居なくなるそうだ。 山から出たことがないという山の神ご夫婦は、初めての大会参加でおどろくことばかり。きらびやかな神殿。指先ほどの神や、天井に頭が届くほどの大きな神。会場正面には大鏡餅が飾られているが、山の神さんは初めてみる鏡餅が不思議でならない。 大事な議事を済ませパーティーが始まると、気になっていた鏡餅が全員に振る舞われた。初めて食べる餅-、ほっぺたが落ちそうだ。 里人が供える団子しか食べたことがなかった山の神さんは、隣に居合わせた物知りそうな神に「餅はどうやって作るのだ?」と聞くと、「杵(きね)と臼(うす)で、よくつくのじゃ」という答えが返ってきた。 早速、山の神さんは厨房(ちゅうぼう)にあった杵と臼を失敬して、山に帰ってしまった。山の神夫婦は昼夜を問わず、餅つきに精を出し、おいしい餅をたくさん作り続けたそうだ。 そのことを知った出雲では、神の身でありながら盗みをするとは何事ぞと怒り、有無を言わさず山の神さんはふるさとの山に閉じこめられ、謹慎の身となってしまった。 それを知った里人は、団子しか供えなかったことをわび、春(新年)になったら餅を供え、山の神さんを大きな鉤で山から出して、みんなで新年を祝おうと、この行事が始まったと言うことです。
by sakakibara-onsen
| 2016-01-07 06:00
| 吾作のものしり箱
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