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はなかけ良いとこ
「はなかけ」とは河鹿荘からサンドセラピー砂羽あたりまで
湯の瀬川(榊原川)の左岸の日当たりのよい集落です。
そこに住む(故)岡山みつえさんからお聞きした話です。

むかし殿さんの花とり場で
お城からこっちをみると
ここら一体に花が咲き乱れとったそうじゃ。
そいで「花かけ」と名がついたと
よう聞かされた。
この花かけはええとこでな
昔から火事ちゅうもんはなかった。
それは火ぃ消す水もないし
消防ポンプも入ってこんやろ。
そやで花かけの人らは
ここで火事おこさんとこにと
みんなで決めとった。
それでもな、あるとき
にしだん(西谷)から大水が出て
下の道にあった大日(如来)さんが
流されそになったんや。
それを見た男二人が
なっとかせんとあかんがな
と、持てもせん石の大日さんを
抱き上げよとすると
大日さんは自分からひょいと
抱かれやんしたんやて。
それからは
もっとみんなで大事にしょうにと
花をあげたりして
祀るよになったんやわな。
ええとこやに、花かけは。

 ~榊原温泉郵便局発行の「郷土の昔ばなし」より~はなかけ良いとこ_b0145296_22201399.jpg
by sakakibara-onsen | 2009-02-26 07:34 | 吾作
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